釿とは、柄が湾曲し、その先に刃が柄と直角になるように取り付けられた斧の一種です。材料の表面加工や荒い仕上げにも広く用いられてきた道具です。
今日の鉋(カンナ)が発明される以前は、ちょうなで表面を荒削りにし、槍鉋でより表面を平らに仕上げていました。
釿は古くからある木道具で古墳などからも出土しています。弥生時代の登呂遺跡の木材にも釿の痕跡がみられるそうです。
釿で削った痕は波形になり、手仕事ならではの趣ある木の表情がでます。
現在ではあまり使われなくなった伝統道具の釿。宮大工は丸太作業の斫りなどで現在も使用します。